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オープニングストーリー Ver 1.0

2009年07月21日 13:19



国王陛下は、ただこう告げる


 こん**は、中の人 (いません) です。ところで、私も楽しんでいるコンチェルトゲートフォルテ、何だかキャッチストーリーが短くて感情移入がしにくいなぁ、なんて思いまして。じゃあ、それっぽい嘘っこ小説なんぞ作ってみたら面白いのかな? そんな訳で、ゲーム内のストーリーを妄想補完する為の二次創作、コンチェルトゲートカバーストーリーをお楽しみ下さい。

今回のネタ元: コンチェルトゲートフォルテ公式サイト、ストーリー より

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タイトル : ことの始まり
書いた人 : 卯月れん (藤 秋人)

 ファーレン王国。フレイア大陸を広く治める、歴史ある国。かつて、屈強な軍備を備えた大国だった。神話の頃からこの名は語られ、今尚、ここを以て世界の中心と言う人もいる。長い時の流れは、かつての強国を平和な田舎の国に変えていった。
 悲しいかな、全ては過去形なのである。この国は二度の災厄によって、今滅亡の危機に瀕していた。それは同時に、肥沃であった国土をも疲弊させ、今まさに黄昏を迎えようとしている。

 大昔、偉大な戦いがあった――

 かつて、迷宮事件と呼ばれた出来事があった。時の王国大司教ブルメイルは、この事件の解決に、異世界人を召還する事で、これ解決する事にした。曰く…… 『異世界より来る者の中にこそ "開くもの" 在り』 と。禁じられた異世界からの召還術。それはまるで、広く拡がる砂漠の中から、一粒のダイヤを探し出すようなもの。だと言うのに、彼とその神官団は召還を繰り返した。拉致同然に呼び出された彼等は、自分の道を探すため旅に出た。ある者は国で成功し、またある者は世界を掛けた戦いの中で散った。かくして、迷宮事件から始まった一連の戦いは、神域に住まう神々をも巻き込み、 "開くもの" によって決着が付けられた。その真相は、文字通り迷宮の奥深くに、人知れず没していったのであった。
 この過程で、多くの異世界人が流入。それは、小国と化したファーレン王国に、未知の文化やテクノロジーをもたらした。政 (まつりごと) に携わる王侯貴族はこれを喜んだ。加速する文明、技術…… いつしかファンブルグは在りし日の繁栄を取り戻したかのように見えた。そう、見えた。

 そして、二つ目の蓋が開く。今に伝わる大厄災、ナクゥバを筆頭とした凶悪なモンスター達の侵略である。しかし、これについての記録は驚く程少ない。今なお伝わるのは、城のステンドグラスに飾られた五人の勇気ある異邦人達。大厄災を代表するナクゥバの影、次いで五勇者と言い伝えられる彼等の面影だけである。情熱の赤、ヴィクター
。知的なヴェーン、博愛のサミュエル、そして慈愛のシャマラン。ナクゥバは倒され、平和が戻った。そして、加速し続けるテクノロジー、尽きることのない人の欲望。
 それこそ、人の性。
 親が子を産み、子が孫を産む。こうして、さらに数百年の時が流れた。



 英雄達は去り、国は栄える。昨日森だった場所が今日村になるような。ささやかだが、平和な日々が続いた。しかし時は、無情にも牙を剥く。王国に住む者は異変に気づかず、ようやく気づいた時、全て手遅れだった。

 魔力と機械…… この相反する法則体系を融合させる実験が、全てを狂わせたのである。機械都市ギノスの成功は、王国科学アカデミーの学者達を大いに勇気づけた。拡大した市街地の公衆衛生確立の為に下水道を、かつて整備されていたタウンゲートを更に安全に、確実に稼働させるための整備。一連の革新は、大量の資源を必要とした。水、土地、燃料、石材、そして魔力。

 全ての崩壊は酷く、緩慢だった。

 凶暴化し、増えるモンスター。枯れて行く土地、縮小して行くファンブルグ外苑都市。地下数階に拡がる大倉庫は土に埋もれ、遂にファンブルグ旧市街がぐるりと城壁で覆われるようになった頃。都市を繋ぐ道は一層険しくなって行く。漁獲高の減少から、港町イールは交易所を閉鎖し、セラルカは歴史的な因縁もあってか、次第にファンブルグから距離を置くようになった。次第に水の淀みはその濃さを増して行き、増加し続けた人口は、城塞都市ファンブルグの収容力を奪って行く。そして遂に、城塞都市化以後、最悪の事態が起こってしまう。

 爆発的な、伝染病の蔓延である。それは、大昔に召還された異邦人が語ったペストの恐怖そのものだった。近代的な下水道を備えていようと、その処理能力を超えてしまえば "それ" は十分起こり得る事なのである。時の国王は非常事態を宣言。多数の死者を出しながら、やがて悪夢のような流行が終わる。王都は、その持って生まれた威容とは裏腹に、酷く静まり返ってしまった。
 この数年は、市民にとって不幸な流行病の時代でしか無かった。だが、国として見れば、滅亡に等しい。そして、国民は気づかない。それが、無軌道に拡張を続けた、自らの欲望が引き起こしたと言うことに。無制限に持続する繁栄など、どこにもありはしないと言うことに。
 もう一つ、ファーレン王国にとって大きな痛手があった。騎士団をはじめとする、軍事力の喪失とも取れる被害である。伝染病は歴史あるファーレン王国軍を、文字通りほぼ全滅まで追い詰めた。

「これは、大厄災である」
 第XX回王国議会、病で王妃と子供を失った王は、失意にくれたまま呟いた。

 議員達の間に動揺が走る。彼等も、薄々国の衰退には気づいてはいたのだ。今、元首たる国王が大厄災だと言う。これは、正しく亡国の危機であった。議会は紛糾し、後に一つの方策が可決される。しかしながら、この危機が国民に伝えられることは無かった。民の安寧を失うことは、特権階級が野に下る事を意味する。民の信任を失い、富と託された権力が、その手からこぼれ落ちるやも知れないのだから。知られる訳には、いかないのだ。

「異世界よりの客人 (まろうど) に、世界を救う者有り」
 魔法の言葉が議場に響き渡る、王宮召還師ゲイツであった。絶句する貴族、ヒソヒソと耳打ちする議員。やがて賛同の声が上がると、追認するかのように万雷の拍手が鳴り響いた。



 そして。
 開く門、非日常との邂逅。私の話――
 その日は、突然訪れる。何時の時代も、どんな人種でも、男でも女でも。
 頬を撫でる風に目を覚ますと、地面へと落下しつづける自分の体。簡素な下着だけをまとって、落ちていくだけの時間。地面は遠く、そして遠からず地面に叩き付けられれば、私は死ぬのだろう。
 永遠に引き伸ばされたかのように思える一瞬。幻だろうか? 燦々と輝く太陽の向こう側から、やさしく微笑む少女が手を伸ばす。その手を確り握った途端、私は光の柱に包まれて、ゆっくりと吸い込まれて行った。
 荘厳な雰囲気が漂う、神殿のような建物の中。そこでふと、我に返る。手を繋いでいた筈の少女は、どこにも居なかった。微かに残る少女の体温を名残惜しむように、自分の利き手を眺めてしまう。次の瞬間、肌が粟立つ感覚に振り向くと、クレオール然とした体格の良い老人が、大剣を振り上げて来るではないか!

「行くぞっ、勇者候補! お前の力がどれほどの物か、勇者なら凌いで見せろ!」

 辛くも老人の攻撃を食い止め、事情を聞く。ここは異世界ファーレン王国で、自分はこの世界を救うべく、異世界から召還された勇者の候補だと言う。元の世界に戻る当ては無く、どうしようも無いのだと…… 召還師ゲイツは言い切った。試練を与えられ、なけなしの装備を与えらた私。目指すは、謁見の間。果てしない長さの階段を登る。召還の間の向こう、そこで小さく震え、途方に暮れていた少女トカマクと共に。



 謁見の間。中世欧州の空気そのままに、玉座に座る国王。彼は疲れた表情で、手に持った魔法の杖を振りかざした。

「ふむ、残念ながら君は勇者ではなかったようだな。そちらのお嬢さんはその素質ありと見た。二人とも、どんな形であれ、帰れぬ以上。そして何より、この世界の為に戦ってくれると言うのであれば、君は市民として我が国でその生きる基盤を築くがよかろう。お嬢さんは、後で来る者について行きなさい。貴方には使命があるからね。さぁ、君、下がりなさい」

 こうして、僅かばかりの装備と共にファンブルグへ一歩を踏み出す。同じように召還され、勇者では無いと断じられた救世主のなり損ない。私達に出来る事はなんだろう? とりあえず、その手と手を繋いでみようか? 危機に瀕した世界の中で、新しい歴史が紡がれようとしている。さぁ、行こう――
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