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こうざん!

2010年07月24日 23:42

kisi_s.jpg こん**は! 卯月です。元の世界では夏真っ盛り。そういう時期ですね。日本も帝都付近では摂氏三十六度に達してしまうこともあるとか。「体温ですニャ」なんて言われちゃうと、なるほどそうかも知れないなぁ…… いやいや、三十六度は異常だよ?! 良く良く考えれば確実にコレはおかしいんです! おかしいながらも、そうなってしまった以上受け入れる努力も必要なんでしょうね。ふぅ。


 冒険者の宿、その一階にあるラウンジ。そこで時たま、同じ日本から拉致召喚された冒険者さんと夏休みの思い出なんかを語りあったりします。そんなある日のこと。何でも夕張石炭の歴史村がどうとかこうとか……
 どうもおかしい。何というか、まるで私や姉妹のいた日本と、同じ日本では無いかのようで、彼の話によると夕張の炭坑は閉鎖されたばかりか、自治体経営の悪化で財政再建団体に転落してしまったのだとか。要するに、市が破綻してしまったそうで。

「ところで、貴方の国の名前は?」
「いや、日本だけど」
「いえいえ、そうじゃなくて―― 正式名称は?」

 思えば、どことなくズレを感じていたんです。彼の居た日本は、太平洋戦争後全く戦争に巻き込まれてないですとか、韓国が…… 北朝鮮が…… どうしてこう、面倒なのがお隣さんに、ですとか。時々、おかしな事を言うのです。何だか、私の住んでた国とは、ちょっと違うような気すらします。ちなみに、私や姉妹が居た日本では、夕張にまだ炭坑があったりするどころか、今も採炭が拡大している筈です。

「俺が住んでた国の名前は~」「私や姉妹がいた国はね~」
「日本国」「日本帝国」

 ……どうやら、お互い近くて遠い国から来たようです。平行世界、SF的な言い方をするとこう言えば良いのでしょうか。或いは、もしもの世界、とでも言えば良いのか。お互いため息を一つ。そしてクスリと笑い合いました。

「そう言えば、昨日召喚された人は大日本帝国から来たとか。俺の所だとそれは旧国名なんだよなぁ」
「私の所もそうだよー。戦争に負けて "大" が取れちゃったんだ」
「へぇ、じゃあまだ軍隊とかあるんだ」
「あるよー。陸海空海兵宇宙軍だったかな。風ねえの方が詳しいかも」
「なるほどねぇ、確かこっちは軍が解体されて、警察予備隊から自衛隊って組織になってたような気が。でも実際軍隊にゃ変わりないかな。北海道とかだと、二月に雪像作ってたりするね」
「ゆきまつり! うんうん、雪像は私の所でも一緒、雪祭りだね」
「こうカラッとした暑さの中で雪の話もおつなモンだ。 ――しかし、そう考えるとあの爺さん、相当見境無く方々から召喚してるんだなあ。前会った奴が言うには、まだ大日本帝国なんだとさ。しかも、昭和十五年から呼び出されたんだって」
「あー、私も合衆国日本から来たって言う変な仮面の人に会ったなぁ。とんでも無く未来から来たとかどうとか」
「北日本連邦とか」「大阪民主主義人民共和国とか」「栃木連合国とか」
「めちゃくちゃだね?」
「そうだねぇ」

 世界談義に花を咲かせて、飲み物を飲んでゆったりとした時間が流れます。誰かが持ち込んだ楽器をテキトーに弾くメロディは、どっかで聴いた事があるような、無いような。

「ああ、そうだ。卯月さん、ちょっと面白い話があるんだ。もし暇なら今度…… そう、山に行ってみないかい?」

 山? 何をしに? 今回の冒険はここから始まったのです。

**続きを読むには下のリンクをクリック**
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※えらい、長い前フリだなぁ


 ――山のレアマテリアル鉱山

 レアマテリアル…… 稀少素材。私たちがレアメタルと呼んだそれ。
 この世界にも、勿論存在し、普通の鋼材よりも遙かに高い値段で取引されていると言う。先日、彼が物見遊山に訪れた時、ピッケルを持った青年がなにやら困っていたとのこと。

「へえ、先週は海に皆で行ったから。誰か誘っていこうかなあ」
「まぁ、現地は落盤とかもあるらしいし、城勤めの兵士に聞いたら行方不明者も出てるらしいぞ?」

 あらあら。まぁ、科学技術の発展を見るに、この世界の鉱山はまだまだ危険な場所なんでしょうね。まぁ、せいぜい気をつけまーす♪ なんてふざけ合って、数日後。

pr1_m0.jpg
親友のCoさんと、採掘師のお兄さんと遭遇!


 同じ世界から召喚されたCoさん。「山にいくよー」と一声掛けると。

「山か。夏は山がイイ? 海がイイ? それとも、私? なんて新婚の会話があるらしいから。ここは私も山に行くしかないね」
「ごめん、私も同じ世界から召喚されたけど。その話は良く分らないよ……」

 ボタ山があちらこちらに積み上がる渓谷。少し奥に進む。遠くに見える坑道の入り口へ軽口をたたき合いながら向かう。ちょうど坑道に降りる階段の手前。如何にも鉱山労働者と言った感じのお兄さんが大きく手を振っていました。どうやら宿のバーで聞いた "ピッケルを持った青年" なんでしょう。

pr1_m1.jpg
モンスターマテリアルもそうですが、
どうしてこう "アコヤ貝に真珠" みたいなモノばっかりなんでしょうね?


 日がな一日、掘ってはモンスターと戦って鉱石を取って―― そんな生活なのだそうで。モンスターから取れる「ゼロアワーストーン」は高く売れるものの、一般には流通しないとのこと。

pr1_m2.jpg
はいはい、もってきますとも!


 早速、坑道に潜る私たち。しかし…… どうも気になるんですよ。

「あの人、何か目が死んでなかった?」
「言われてみれば? いやでも、そういうキャラもネタとしてアリでしょ」

 Coさんがケラケラ笑いながら言う。薄暗い鉱山だから瞳孔が開き気味なのかも知れない。きっと、気のせいだよ。うんうん。

pr1_m3.jpg
鉱石を吐くモンスターは、生乾きのサソリでした


 いささか、色つやの悪いサソリを "めきょっ" と切り捨てつつ (私は勿論剣で斬りつける訳なんですが、気持ち悪いんですよね、これが) 偶に出てくる粘液付きのゼロアワーストーンを回収します。気持ち悪いです、あのお兄さんが虚ろな目をするのも分る様な気がします。
pr1_m4.jpg
ちょっと気持ち悪いですが、これが件の鉱石。
確かに綺麗で、何らかの需要はありそうです……
何に使うんだろう?

 坑道は時々天井からパラパラと土くれが落ちて来て、不安定。長居はしたくありません。生乾きのサソリをCoさんに弓で射貫いて貰って剣で解体して鉱石があるかを探す…… なければまた同じように。

「「ぅぇ…… っ」」

 こみ上げてくる何かを飲み込み、集めたゼロアワーストーンを麻袋に詰めます。早く行こう! もう帰ろう、飽きた海行きたい! とごねるCoさんをなだめながら、採掘師のお兄さんに袋を渡します。

「よぉ早かったじゃないか。流石冒険者、なるほど―― 腕っ節だけは確からしい。案外この仕事も…… おっと喋りすぎたな。早速、いただこうか」
 何だか、少し嫌な予感がします。Coさんに目配せ、視線だけで意味が伝わったみたい。

20100408.jpg


 すっかり重くなった麻袋 (中のゼロアワーストーンはぬるぬるしてる) を彼に突き出すと、彼はいやらしそうな表情で、フッと笑ってこう言うのでした。
「こいつ! 最初からコレを狙ってた?」「まさか?」
「そうだよ! どいつもコイツもバカばっかりさ、お前等異世界人はいつもそうだ! お人好しでバカで無知。オレがどれだけ必死に働いても風来坊みたいに国の保護うけやがって! お前達も、そこのボタに埋まってる女と同じ運命なんだよ! オレに両手両足潰されて、犯されて埋められるのさ、残念だったな?」

 本当――
「残念だね」「残念なキャラクタだね」「フラグ立った?」「これはもう、三下臭がさ……」

 奇声を上げて採掘師の彼が手勢のモンスターと共に襲い掛かってきた時、とっくに私達の準備は終わっていたのです。バイバイ、お兄さん。

pr1_m5.jpg
爆薬がしこまれた矢が彼の顔面に炸裂したのです


 気づけば、空が赤く染まり名もない犠牲者が埋められたボタ山、いえ。墓標。
 つぶれたトマトのようになった採掘師の亡骸が一つ。遠くにカラスの声。

「埋めちゃおうか」
「そうだね」

 Coさんの一撃必中が、せり出した崖の一部に炸裂。崩れたボタ山や落石の中に "彼だったもの" が消えて行く。赤い空に零れたボタ山の影に、人のパーツのようなモノがはみ出しているのが分かる。

「私達が王国の保護を受けてるって」
「まったき、誤解なのに。ずっと一人で暗い所にいて、おかしくなっちゃったのか。最初からおかしかったのか」

 夜になる前に山を下りよう。どちらが言い出したか分らない、苦手なライト (生活魔法、暗い所を照らしたりする) を灯して降りた。冒険者の宿についたのは、すっかり夜になってから。私に鉱山の話をしてくれた彼は、今日は居なかった。
「マスター? 昨日の彼は……」
「ああ、アイツかい。そうだなぁ、今度は南の山に行くってさ。今度は生きて帰ってくるのかねぇ?」

 何時か私も、南に旅立った彼も、どこかで狂って誰かに挑みかかって殺されてしまうのだろうか。
 その時、私は挑み掛かってくる誰かから見て、どんな表情で戦うのだろうか。

 夏の夜は、短くも暑く、長い。


筆者あとがけ....orz)

 二ヶ月かけてR1ペンデュラム「山のレアマテリアル鉱山」の記事を書かせて頂きました。本当のところ、四月の終わりに少し書いて、今日後半部分を一気に書ききっただけです。ごめんなさい。
 当たり前の事ですが、ストーリーのアウトラインは本当ですが、来るお人好しの冒険者を殺して陵辱したですとか、気楽な冒険者にルサンチマンを抱いてるとか、そういう部分はまるで嘘っぱちです。一撃必中の際、飛ぶ矢に爆薬が仕込んである云々も嘘っぱちです。私とCoさんの会話も創作です。残念ながらコンチェはそこまでシリアスなストーリーじゃないんですね。ちょっと残念です。

 ペンデュラムはストーリーをねつ造しなくても、そこそこ面白い話の進行が楽しめるのですが、如何せんダンジョンを振り子で探して~ と言うテレビゲームっぽいプロセスを考えると記事 (お話) にしにくいです。
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コメント

  1. Pierre | URL | bCpyViaU

    山のマテリアルか…
    R3のペンにてスキル購入をする為に
    頑張った時期もありましたが、
    今ではR2のペンが手に入らず
    すっかり挫折しました…。

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